去年2014年6月、ワールドカップ観戦のために訪れたブラジル、リオデジャネイロであるものを見ました。

上空に見える白い機体と見覚えのある緑と赤の光。
最近何かと日本でも話題になってしまっているドローンDJI PHANTOM(以下PHANTOM)でした。

ファンフェスタと呼ばれる大画面でサポーターが集まって観戦している上空をPHANTOMは気持ちよさそうに飛んでいたのです。

インターネットでその存在こそ知っていましたが、実際にPHANTOMを目撃したのは初めてでした。

以前から気にはなっていましたが、PHANTOMを持って色んな国に行き空撮をするのは楽しいだろなと妄想をふくらませました。

その後僕はNYのショップにてPHANTOMと再会したのでした。
ジンバルと呼ばれるカメラの揺れを軽減する機材も合わせると10万円以上する高額商品です。

僕はNYに滞在中、ずっと悩みながらもその後のレンタカーでのアメリカ横断やフィリピン留学、オーストラリアのワーホリにこれを持って行ったらいい映像が撮れるんだろなと考えたのでした。

ちょうどその時、バーニングマンの参戦を見送る事にしお金も浮いたりと、浅はかな気持ちで購入を決めたのでした。

購入したもの

  • DJI PHANTOM2本体
  • ジンバル H3-3D
  • プロペラガード

の3点。ちなみにPHANTOMに搭載するカメラGOPROは以前から持っていました。

FPVと呼ばれるリアルタイムプレビューが出来るVISION2にも惹かれましたが更にプラス5万円ほどかかるため断念。

開封、組み立て

開封、組み立てはとてもワクワクし子供の頃、プラモデルを作った時のことを思い出しました。
なんとか組み上げてテスト飛行したいと感じましたが、そこはNY。

僕が滞在していたのはbrooklynの外れでしたが、人が多く、有効なスペースがないので諦めました。

初飛行

初飛行はレンタカーの旅行を開始したフロリダで行いました。

最初の飛行でうまく飛ばせるかわからなかったため、ジンバルもカメラもつけずにPHANTOMだけを飛ばしました。

英語の説明書しかなく少し不安だったので日本語の取扱説明書を探してダウンロードしました。

しかしこれが大失敗。僕の買ったものとは微妙に操作方法が異なっていたのです。

僕は操縦を誤りいきなり屋根にPHANTOMをぶつけてしまいました。

幸い軽い接触だった事とプロペラガードをつけていたため大事には至りませんでしたが、このPHANTOMの操縦はそんなに簡単ではないことを思い知ったのでした。

操縦は練習が必要

そんな事もあり僕は英語のマニュアルを熟読し、四方100m以上はある広いスペースを見つけては
他のユーザーのyoutubeをたくさん見て練習を開始しました。

PHANTOMを一方方向に向けたまま四角く移動したり
PHANTOMの向きを変えて移動したりしました。

また少しの風やPHANTOMの向いている方向を変えるとPHANTOMが流される事も学びました。
GPSで自動的に元の位置に帰るので、流されても慌てない事が大事です。

この練習は主に夜に周りに民家がなくまた、木など高いものがが無いところで行いました。

夜に行うとPHANTOMの明かり(PHANTOMの向いている方向を示します)がよく見えてとてもやりやすかったからです。

PHANTOMは誰でも飛ばせて簡単という謳い文句で販売されていますが、確かに誰でも飛ばすことが出来るのですが、思い通りに飛ばすにはそれなりの練習が必要です。

空撮は簡単ではありません。

15万円が飛ぶ怖さ

僕は初回のフライトで接触事故を起こした事もあり、その後のフライトはかなり慎重になりました。

なんたって本体が約6万円、ジンバルが5万円、goproが4万円、合計15万円が飛ぶのです。

もしミスをして落としたらそれが全て簡単に壊れるのです。
僕はこの事実を買って飛ばすまで考えてもみませんでした。

更に、もし墜落した際に下に人がいたりすれば、合計1kg以上あるPHANTOMが人にぶつかれば、大事故になります。

今思えば人ごみの上を飛んでいたリオデジャネイロで見たPHANTOMはかなりリスクを犯して飛んでいたのだと感じます。

最近15歳の少年が善光寺などでドローンを飛ばしていましたが、人が居るところでドローンを飛ばすのは本当に危ないと思います。

もし、これからPHANTOMなどのドローンの購入を考えているのならこの事実をよく考えてから購入するべきです。

※ただし彼の利用していたドローンparrot bebop droneは僕の利用しているPHANTOM約1kgよりもかなり軽量な400gなので墜落しても大きな事故の可能性はかなり減るかも。

風に敏感になった

先にも述べましたがGPSで元の場所に戻る機能があるとはいえ、PHANTOMは簡単に風に流されます。

そんな事もあり、風がどれくらい吹いているかにかなり敏感になりました。

風が吹いている中でPHANTOMを操る自信も事故を起こすリスクを犯す勇気も僕にはありません。

アメリカ横断中は風が強い日が多く、結局そんなに多くの回数を飛ばすことが出来ませんでした。

空撮の難しさ

何度かのフライトを経てようやくPHANTOMの操縦に慣れてきましたが、次にぶつかるのが空撮の難しさです。

僕が買ったのモデルにはFPVと呼ばれるリアルタイムでドローンからの視点が見える機能はついていません。

つまりカメラに何が映っているのかはフライトを終えGOPROを回収してからでないと見れないのです。

無理やりにGOPROのwifiをオンにすればスマホで確認できるらしいのですが、コントローラーの電波とぶつかって誤作動の可能性があるとのことで利用していません。

つまり予想で撮らなけれなならないのです。
ただでさえ、超広角で狙った絵の撮影が難しいGOPRO。

全くの初心者の僕は設定を間違えてずっと真下ばかり撮っていたり、
プロペラが写り込んでしまったり、肝心なものがちっとも撮れていなかったりと失敗を繰り返しました。

ある程度PHANTOMの操縦が出来るようになったら空撮のテクニックを学ぶ必要があるのです。

このエントリーではいくつかのサンプル静止画を掲載してみましたが、どれも綺麗に撮れた本当に瞬間だけを切り取って静止画にしたものです。

グランドキャニオンにて墜落

それでも何度かのフライトを経験し、グランドキャニオンでも飛行にチャレンジしてみました。

グランドキャニオンといっても、人がほとんどいない場所、それも谷の中に入っていくような事はほぼしませんでした。

また独特の地形で変な風が吹いていることも頭にはありました。そのため、高度は割と高めを飛ばしたのです。

しかし突然風が吹き、PHANTOMは風に負けてユラユラと墜落してしまったのです。

幸いな事に木の枝に引っかかったPHANTOMを救出する事ができました。奇跡的に木に引っかかった事と真っ逆さまではなくユラユラと墜落したため、大きな損傷も無かったのです。

しかしあと2,3m谷側だったら谷底に真っ逆さま救出する事も出来なかったことでしょう。本当にラッキーでした。

しかし僕は墜落の恐怖にさらされ、その後なかなかフライトにチャレンジ出来ませんでした。

ちなみに上の動画ではカメラを安定した映像にするパーツをつけ忘れているため、ユラユラした映像になってしまっています。

旅行にはデカイ

アメリカ旅行では基本的にレンタカーでの移動でしたのでPHANTOMの携帯性に関してはほとんど問題になりませんでした。

良い場所を見つけては風があるかチェックして行けそうだったら車から出して飛ばすという流れでした。

しかしアメリカから帰国後、東南アジアとフィリピンの語学留学では、PHANTOMを持参するのを諦めました。

機内持ち込み荷物のみでLCCを使っての移動を多く予定していて、PHANTOM一式はそれなりの荷物になってしまうからでした。

※飛ばすためにはPHANTOM本体に、プロポと呼ばれるコントローラー、それに大きめの充電器が必要。

ちなみに僕がこのPHANTOMを買うことに関して影響を受けた高城剛さんは旅行でPHANTOMを持ち歩く際に次のような工夫をしているとのことでした。

信じられないかもしれませんが、僕はドローンを小さな紙袋に入れて運んでいます。紀伊国屋か東急ハンズの(笑)。もしくは、いつも愛用しているバックパックに、足とカメラを外して入れてしまいます。モチロン、機内手荷物です。コントローラも同梱します。

引用 – 高城未来研究所「Future Report」vol.164より

ドローンの今後

今回の体験を経て僕はドローンというものに未来も感じたましたが恐怖も強くなりました。

やはりドローンは風の影響を受けるし、操縦はそんなに簡単ではありません。

確かに練習すれば飛ばせるようになるのですが、僕はもし誰かがドローンを飛ばしていたら興味深くその様子を見ますが、もし自分の上空を飛んでいたらその場から離れます。

安全と言われていますが、僕は突然の墜落の怖さを身を持って体験しました。

セブ島に滞在した時に1度ビーチパーティーに参加しました。
パーティーではそれなりに風が吹いているときにPHANTOMを飛ばして空撮をしてビーチパーティーのダンスフロアの様子を撮っている方がいました。

僕は墜落が怖くてその場から一人離れました。
その後どんな人が操縦しているのか興味を持ち操作している人を探して見に行きました。

ロシア人のその方は僕よりも遥かに空撮に慣れている方でこれくらいの風なら問題ないと仰っており、撮れた映像を見せていただいたら実際見事な映像を撮っていたのも事実です。

amazonがドローンで荷物を運ぶテストをしているそうですが、本当に実用できるのでしょうか?

墜落のリスクを考えると、かなり限定的な利用しかできないのではないかというのが正直な僕の感想です。

オーストラリアで空撮にチャレンジ

さて3週間前からスタートしたオーストラリアでのワーホリにはPHANTOMを持ってきました。

オーストラリアでは車を購入しオーストラリア国内を旅行してみようと考えているため、持ち運びに支障はほぼありません。

実は日本滞在中も人が居ないところで練習をして、去年の墜落の恐怖も拭い、どれくらいの風の中なら問題なくフライト出来るのか理解してきたのでオーストラリアの自然豊かな絶景を再度空撮にチャレンジしてみようと思っています。

機会があれば撮った映像をまとめてアップしてみようと思います。