2015年10月に買ったカメラはSONYのα7 mark II(以下α7II)の6ヶ月以上利用してのレビューをお届けしています。

α7IIのレビューは3回に分けてお届けしています

α7IIとVoigtländer NOKTON classic 40mm F1.4

α7IIとVoigtländer NOKTON classic 40mm F1.4

第2回はレンズとレンズアダプター編です。早速行ってみましょう。

難航したレンズ選び

Canon EOS 6D(以下6D)からこのα7IIに乗り換えるに当たって最後まで苦労したのがレンズ問題でした。

というのもSONY純正のEFレンズはあまりバリエーションが豊富でない上、とても値段が高いんです。更に言うと、小型軽量化のために、わざわざ買い替えてもレンズが割りと大きいと感じました。

しかし、調べていくとEマウントレンズにはSONY以外の選択肢も出てきていることが分かりました。

SONYを含めフルサイズの画角に対応したEマウントレンズの一覧は

が参考になります。

また、Eマウントのレンズ以外にもα7IIに変換アダプターをかませて他社レンズを使って撮影するという方法を知ったのでした。

特にオールドレンズなどと呼ばれる昔のレンズはフィルムのサイズに合わせて作られていています。このフィルムのサイズとフルサイズセンサーのサイズというのが35mmで同じなんですね。

つまりα7シリーズでは昔のレンズの画角のまま利用出来るんです。しかし、そのままではマウントが違うレンズは装着することが出来ません。

そこで登場するのがレンズアダプターです。

レンズアダプターを使う

ミラーレスフルサイズ一眼レフであるSONY α7シリーズはミラーがないことによりセンサーとマウントの距離が近いため、レンズのマウントを変換することが出来る、レンズアダプターを利用することが可能になり、最近の他社のレンズはもちろんフィルム時代のオールドレンズを楽しむには最高の機種だということでした。

ちなみにα7シリーズで使えるレンズアダプターのリストは

が参考になります。

マニュアルフォーカスって難しくないの?

ただし、アダプタをかまして昔のオールドレンズを使うことになるとまた1つ別の問題が発生します。

それはAF(オートフォーカス)が効かないという問題です。

6D時代にSIGMAの50mm F1.4を購入したのですが、AFの調子が悪く、MF(マニュアルフォーカス)撮影することがあったのですが、これがなかなか難しいんです。

だからMFって凄く難しいと思っていたんです。

しかし、α7シリーズのMFはボタンを押すと画面が拡大して焦点が合っている部分が色付けされて、とても簡単なのです。

下の動画は僕の作成したものではありませんが、見ていただくと、非常に簡単にMFが出来ることがわかると思います。

これならオールドレンズとMFを使いこなせるのではと考え、SONYの純正レンズではなく、より味のあるオールドレンズを使ってみたいと考えるようになりました。

思い返してみれば、写真やカメラに本格的に興味を持ち、写真を撮り始めたのは雑誌TRANSITの美しい写真に魅せられたのが始まりでした。

特に印象に残っている南米を紹介したTRANSIT

以前、その雑誌TRANSITのトークショーに参加した事があるのですが、その際に聞いた話では、実は写真はその時々で違うカメラマンだったり編集の方が撮影されているとのことで、多くの外部委託のカメラマンは今でも古いレンズとフィルムで撮影されているとのことでした。

僕はフィルムで写真を撮ったことは殆どありませんし、これからも手にすることはないでしょう。

でも、オールドレンズの昔の写真の味わいはこの最新のミラーレスフルサイズ一眼で楽しむことが出来るのです。

この危険な世界に入ることを決めたのでした。

予算を考えながら自分に最適なレンズを探す

レンズ選びは大変でした。

というのも、α7にアダプタを付けて利用するのであれば、装着できないレンズってあるの?って思うくらい選択肢が豊富にあったからです。

6D時代も、その前に使っていたOLYNPUS E-P1 “PEN”時代も基本的には、

  • 標準ズーム
  • 広角ズーム
  • 40mm-50mmの明るい単焦点

の3つを選んで使ってきました。

使用用途は旅先でのスナップなのであまり望遠ズームは必要無かったのです。(憧れは有りますが、大きいので外しています。)

そんなわけで今回も同じようなレンズ構成を考えていました。

そこでまずはどんな選択肢があるのか片っ端から調べてみることにしたのでした。

まずは6D時代のレンズを使うことも考えました。なんて言ったて最初から持っているのですから。

しかし、その選択肢は直ぐに無くなりました。それでは小型軽量化にならないのです。

レンズ選びの際に、非常に参考になったのが例によって高城剛さん。

カメライベントのSONYのブースで講演もしている高城さんはα7Rのユーザーで僕と同じように世界中を旅されています。

だから小さくて旅に向く道具の選び方をされていて、モノ選びの際には非常に参考にさせていただいています。

高城さんはα7RにLEICAの21mmと50mmのレンズを使用しているとメルマガで述べられていました。
調べてみると確かに非常に小さいんです。

しかしLEICAは当然、僕には予算オーバーでした。
ただ、この時にLEICA Mマウントに注目したのでした。

LEICA Mマウント

LEICA Mマウントのレンズは僕が今まで知っていたデジタルカメラのレンズを考えれば非常に小さいものばかりでした。

Mマウントについて調べていくと、いくつかの事がわかりました。

LEICA Mマウントのカメラというのはレンジファインダー機と呼ばれ、フォーカスしたい目標に対して距離でフォーカスを手動で合わせて撮るのでオートフォーカスが無いのですね。

※説明が間違っているかもしれません詳しくは

を御覧ください。

本体内にモータや余計な電子機器が組み込まれていません。だから驚くほどに小さいのです。

更にMマウントについて調べていくと、面白いブランドを見つけたのでした。それがVoigtländerでした。

Voigtländerというブランド

古めかしいデザインがα7とよく合う

古めかしいデザインがα7とよく合う

Voigtländerは元々ドイツのカメラブランドですが、現在はZEISSブランドの製品の一部などを手掛ける、日本の会社コシナが製造を担当しています。

比較的安価なレンジファインダー機向けでマニュアルフォーカスの小さな昔のレンズを復刻させたような、映りと外観を持ったレンズを多数リリースしています。

Voigtländerはレンズラインナップも充実していて、僕には理想的に映ったのでした。

僕はSONYの純正レンズとVoigtländerの中からレンズ選びをすることにしました。

実際に購入したレンズ、レンズアダプター

選んだレンズ

選んだレンズ

さてここまで、僕がレンズ選びに葛藤してきた様子をお伝えしました。

実際に購入、使用したレビューをお届けします。

Sony Vario-Tessar T* FE 24-70mm f/4 ZA OSS

Sony Vario-Tessar T* FE 24-70mm f/4 ZA OSS

Sony Vario-Tessar T* FE 24-70mm f/4 ZA OSS

標準ズームはAFが使えるSONYの物を選ぶことにしました。

というのも、いくら簡単にMFが出来ると言っても全てをMFで撮るのは厳しいと考えたからでした。

値段がかなり高めなので相当悩みましたが、広角写真が好きなのと6D時代90%の写真を撮っていた24-105mmに慣れてきていたこともあり、キットレンズでお得な28-70mmよりも24-70mm F4を選びました。

しかし、購入して3ヶ月ほど経過して、予想以上にマニュアルフォーカスで写真を撮るのが楽しく、その中でもこのレンズが一番使っていなかったりします。

また凄く感覚的なのですが、比較対象となってしまう6D時代に使っていたCanonの24-105mm F4と比べると何かイマイチな感じがしてしまうのです。

この理由がどこから来ているのかはハッキリしませんが、やっぱり写りはCanonの方が良かったのかもしれません。

望遠側が105mmから70mmになってしまったのも予想よりも大きく感じました。

それでも、動物など動くものを撮るときなど、AFのズームでしか取れない絵というのはありますし、気軽にAFで利用出来るレンズというのは旅行で写真を撮る場合どうしても欲しくなるものですので、選択は間違っていなかったと感じています。

Voigtländer VM-E CLOSE FOCUS ADAPTER

Voigtländer VM-E CLOSE FOCUS ADAPTER

Voigtländer VM-E CLOSE FOCUS ADAPTER

α7IIでMマウントのレンズを利用するために利用するレンズアダプターです。

レンズアダプターは安価なものだと3,000円ほどで売られていますが、こちらのVM-E CLOSE FOUCUS ADAPTERはVoigtländerがリリースする商品で最高級品と呼べる物で価格も3万円ほどします。

作りも非常に精巧でアダプタを介することにより発生するケラレは全く見られません。

またレンジファインダー機のレンズは最短撮影距離が遠目なのが基本なのですが、こちらのアダプタを利用すると、名前にもあるようにアダプタについたヘリコイドを利用することにより、より近くにフォーカスを合わせることが可能になります。

従来の利用方法とアダプタを介したことによる最短撮影距離の比較表が公式ページにあり参考になります。

Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4(マルチコート)

Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4

Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4

明るい単焦点レンズは40mmを選びました。

Voigtländerのレンズを選ぶ際、Flickrを中心にVoigtländerのレンズとα7シリーズを組み合わせて利用した作例やレビューを本当に沢山読みました。

こちらのレンズはα7と合わせて使用された例が非常に多く、レビューを読む限り大きな問題は無さそうでした。

参考にしたレビューやFlickrのグループ

オーストラリアでは扱う店がわからなかったので、実物を見ないままオークションで中古を購入したのですが、予想以上に小さいことに驚きました。

装着したところもα7IIとピッタリで本当に気に入っています。

撮影してみてもパキっとし過ぎない、なんとも言えないナチュラルな描写が非常に気に入っています。

Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4の作例

Voigtländer NOKTON classic 40mm F1.4の作例

jpg撮って出し、縮小のみ加工無し

jpg撮って出し、縮小のみ加工無し

Voigtländer COLOR SKOPAR 21mm F4P

Voigtländer COLOR SKOPAR 21mm F4P

Voigtländer COLOR SKOPAR 21mm F4P

広角レンズ選びは本当に難航しました。まず広角レンズは値段が高かったり大きい物が多いです。

また、僕が調べた限りでは古い広角レンズをα7シリーズで利用すると、パープルフリンジや光量落ちといった問題が発生するケースが非常に多かったからです。

更に、その問題の発生の仕方も同じα7シリーズでもα7、α7R、α7S、α7II、α7RII、α7SIIそれぞれで微妙に異なることが分かったからでした。

調べた所、高画素のモデルほどパープルフリンジが発生しやすい模様で、a7Sはまだマシみたいですが、α7やα7Rは結構起こりやすいようでした。

実際、α7IIとCOLOR SKOPAR 21mm F4Pでもパープルフリンジは発生します。

Voigtländerからは、これらの問題に対応した広角レンズ3種類が発売予定となっていますが、待つ時間はありませんでした。

結局、予算の都合もあり、広角レンズは買わなくても良いかな。と思っていたのですが、ヤフオクで安めに落札出来たこと、詳しくは第3回の実際の使用方法に書きますが、Lightroomやα7IIにインストールして使うことが出来るレンズ補正アプリでパープルフリンジはある程度解消出来る目処がたったので購入に至りました。

実際、僕の過去のブログ記事、ニュージーランド旅行編の写真はこの21mmで撮って編集した写真がいくつかあるのですが、パープルフリンジは目立たなくなっていると思います。

このCOLOR SKOPAR 21mm F4Pは40mm同様クラシックな見てくれも良いですし、21mmという画角に対して非常に小さいと感じます。

最近、この21mmを標準レンズにして結構撮っています。

というのも21mmという画角が風景写真を撮るのにちょうど良いし、F8以上で絞って無限遠で撮ればパンフォーカス気味になり、あまりフォーカスを気にしなくてもピンが合った写真が撮れるというのも大きく、使い勝手が良いです。

またアダプタのヘリコイドを使えば15mmまで寄ることも出来ます。

パープルフリンジの問題はありますが、とても楽しい散歩レンズとなっています。

Voigtländer COLOR SKOPAR 21mm F4Pの作例

Voigtländer COLOR SKOPAR 21mm F4Pの作例

パープルフリンジが発生した例

パープルフリンジが発生した例

パープルフリンジの発生はα7II内のカラーフィルタやアプリまたはLightroomでの修正で無くしています。

同ファイルを修正後

同ファイルを修正後

まとめ、設定など実際の使い方編に続く

MFにも大分なれ、旅行ともなると被写体は静的なものばかりということもあり、その味わいや軽さを気に入ってしまい、最近では、ほとんどの撮影Voigtländerのレンズのみでしていて、重くてデカイSONYのレンズは殆ど使わなくなってしまいました。

失敗も多いのですが、うまく撮れた時の喜びが大きく以前よりも撮影が楽しくなった気がします。

それにしてもカメラのレビューは書くの本当に難しいですね。

α7IIに関しては他の記事も書いています。よかったらご覧ください。